医院名:モーニングクリニック六本木 
所在地:東京都港区六本木6丁目1-8 
電話番号:03-5860-6935 
六本木グリーンビル7階

胃内視鏡検査でわかる疾患

胃内視鏡検査でわかる疾患

胃内視鏡検査でわかる疾患自覚症状がほとんどない咽頭、食道、胃、十二指腸に起こる早期のがんを唯一、発見できることが胃内視鏡検査の最大の特長です。上部消化管の粘膜を直接、つぶさに確認でき、検査中に発見した疑わしい部分の組織を採取できるため、幅広い疾患の早期発見と確定診断の基礎になります。
症状がある場合はもちろんですが、自覚症状のない早期がんの発見と適切な治療のために、がんリスクが上昇する40歳を超えたら症状がなくても1度検査を受けるようおすすめします。

胃の疾患

ピロリ菌

ピロリ菌は胃の中で感染する細菌で、ピロリ菌感染がなければ胃がんになりにくいことがわかっています。ピロリ菌感染によって胃に慢性的な炎症があると胃粘膜が萎縮して胃がんリスクを上昇させてしまいます。ただし、感染していても除菌治療によってピロリ菌を除去することができます。衛生状態の改善、除菌治療の普及、内視鏡検査による早期発見や治療が可能になったことから、胃がんによる死亡者数は減少傾向にあります。
内視鏡検査によってピロリ菌感染の有無を調べることができます。なお、ピロリ菌の除菌治療は、抗生剤などの薬を1週間服用するだけです。

胃がん

 早期胃がん

胃粘膜の表面にがんがとどまっている状態です。早期胃がんは内視鏡による手術で完治可能であり、お仕事や生活にほとんど影響なく治すことができます。

 進行胃がん

粘膜の表面にとどまっていたがんが筋層に向けて浸潤していきます。胃壁の筋層より深い部分にまでがんが進行した状態が進行胃がんです。進行胃がんになっても自覚症状が現れないことも多く、症状のない段階で受けた内視鏡検査で進行胃がんが発見されることもあります。
胃以外の臓器への転移やリンパ節転移を起こしている可能性があるため開腹手術や化学療法が必要になり、内視鏡手術では治療できません。負担が大きい治療が必要になるため、クオリティ・オブ・ライフを低下させてしまいます。

スキルス胃がん

がん細胞がばらばらになって粘膜の下に広がってしまうタイプの胃がんで、腹膜播種により転移リスクが高く、進行が早いという特徴があります。若い世代によく見られ、30~50歳の女性の発症が多い傾向があります。
治療方法が確立されてきた胃がんの中では、その進行の早さから例外的に死亡率が高く、自覚症状がほとんどないため、高リスクの場合は20歳代のうちからピロリ菌感染検査や除菌治療、定期的な内視鏡検査を受けることが重要になります。

胃悪性リンパ腫

ピロリ菌感染との関わりが大きく、除菌治療の成功で長期生存率が大きく変わる可能性があります。特に、転移を起こしていない状態で進行速度が遅く、悪性度が低い場合には除菌成功によって腫瘍が退縮し、長期生存率90%以上・再発率3%程度になると報告されています。ただし、胃悪性リンパ腫の治療はピロリ菌除菌に加え、開腹による外科手術、科学療法、放射線療法などを行います。
胃内視鏡検査ではピロリ菌感染の有無を調べることができ、粘膜を観察して疑わしい部分があったら組織を採取して生検し、正確な診断を行えます。

胃線種

腺腫は良性の腫瘍で短期間にがん化することは少ないのですが、10年以上の経過によって胃線種は数10%ががん化すると報告されています。腺腫の形状やサイズによってがん化リスクは大きく変わりますので、内視鏡検査で組織を採取して生検を行い、がんと鑑別します。なお、がん化リスクが高い場合には内視鏡による切除が可能です。

胃潰瘍

胃粘膜の炎症を繰り返して粘膜や粘膜下の組織が一部なくなっている状態です。原因は主に、ピロリ菌感染や非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)です。ピロリ菌に感染している場合には、除菌治療に成功することで胃潰瘍の再発を防止できます。非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)が原因である場合、他の薬にする、あるいは胃酸分泌を抑制する薬を併用するなどが必要です。

胃静脈瘤

肝臓疾患による肝硬変が原因になって起こる胃疾患です。肝硬変では肝臓が血液を十分に受け取ることができなくなり、その血液が胃や食道に向かってしまって静脈に異常な膨らみを作ることがあります。肝硬変によって胃の静脈に膨らみができるものが胃静脈瘤です。
肝硬変が進行すると静脈瘤に流れる血液量が増えて破裂してしまうことがあり、こうなってしまうと命にも係わります。胃静脈瘤は内視鏡による治療で破裂を予防することができます。そのため、早期発見が重要です。

胃粘膜下腫瘍

粘膜の表面ではなく粘膜下にできる腫瘍で、粘膜を突き上げるように進行します。内視鏡検査では粘膜の膨らみとして発見されます。悪化することは少ないのですが、サイズが大きくなると悪性の胃GIST(消化管間質腫瘍)となり、肝臓やリンパ節への転移を起こす可能性があるので、定期的な経過観察が必要です。胃GISTになった場合には、手術や分子標的治療を行います。

胃炎

 表層性胃炎

炎症が胃粘膜表面に起きており、内視鏡で観察すると線状の発赤として観察されることが多くなっています。ピロリ菌に感染しておらず、胃酸過多の場合は特に胃炎になりやすく、暴飲暴食やストレス、不安などをきっかけに発症します。炎症の改善、胃酸分泌抑制といった治療が有効ですが、再発しやすいため食生活を含めた生活習慣の改善も重要になってきます。

 萎縮性胃炎

慢性的な炎症が続いて胃粘膜が萎縮し、薄くなってしまっていて、胃がんリスクが高い状態です。萎縮が進行すると腸上皮化生という胃粘膜が腸粘膜に置き換わってしまう状態になります。この腸上皮化生が起こるとそれまで生息していたピロリ菌が生息できない環境になるため、ピロリ菌検査では陰性になります。ただし、胃がんリスクがとても高い状態なので、検査で陰性になったとしても内視鏡検査で粘膜の状態を観察して委縮の有無を確かめることが不可欠です。

鳥肌胃炎

病変が鳥の肌のように見えることからこの名称がついています。進行の早いスキルス胃がんなどのリスクが高い状態ですから、早期発見が重要です。胃の出口付近である前庭部に多く発生する炎症で、リンパ濾胞が増生しています。ピロリ菌感染と関わりが深く、陽性であれば除菌治療が有効です。痛みなどの症状も除菌成功によって解消が見込めます。
鳥肌胃炎が見られた場合、除菌治療成功後もリスクを考慮して定期的な内視鏡検査が不可欠です。

胃憩室

憩室は粘膜に生じるもので、袋状に飛び出します。内視鏡で観察すると、胃憩室は胃粘膜のくぼみとして見つかります。入口の噴門部・出口の幽門前庭部の発生頻度が高く、これは粘膜下の筋肉層が薄くて弱いことが原因だと考えられています。胃憩室自体は特に症状を起こしませんが、憩室が炎症を起こすと痛みなどの症状を生じます。

胃底腺ポリープ

良性のポリープで、多くは良性のまま変化せず、小さくなって消えてしまうケースもあります。ピロリ菌陰性で健康な胃にできやすい傾向があります。原因はまだよくわかっておらず、女性ホルモンの関与なども指摘されています。

胃アニサキス症

魚の生食によって寄生虫が感染し、強い痛みが起こります。十分な加熱、あるいは冷凍によって感染を予防できます。寄生していることが多いのはサバ、イカ、サケ、アジなどで、肉眼でも発見可能なサイズです。そのため適切な処置が行われていれば感染リスクを下げることができます。
人の身体でアニサキスは生き続けることができないため、痛みはいずれ治まります。ただし、痛みがかなり強いので、内視鏡によって除去する治療が有効です。除去してしまえば痛みはすぐに治まります。刺身、加熱が十分でない魚介類を食べた後で激しい痛みが起きたら、内視鏡検査のできるクリニックを受診しましょう。
なお、アニサキスがアレルゲンになっている場合には、十分な加熱や冷凍した魚介類でも痛みなどの症状を起こすことがあります。

食道・咽頭の疾患

食道がん

食道がんは特に早期発見が重要な病気です。ほとんどの消化管にある漿膜という一番外側の膜を欠いているためリンパ節や臓器への転移を起こしやすく、かなり進行するまで自覚症状が現れにくいという特徴を持っています。また、進行した際の外科手術は難易度が高く、負担が大きいためクオリティ・オブ・ライフを大きく損ねます。胃内視鏡検査では、必ず食道もしっかり調べますので、胃がんだけでなく食道がんの早期発見にもつながる定期的な内視鏡検査をおすすめしています。

食道・咽頭乳頭腫

食道の粘膜に白くて小さい隆起ができている状態です。胃酸逆流によって起こると考えられている良性の腫瘍です。

食道粘膜下腫瘍

粘膜より深い層にできる平滑筋腫や血管腫などの腫瘍で、ほとんどは良性です。サイズが大きい、あるいは短期間に大きくなったなどの場合には、悪性リンパ腫や悪性腫瘍のGISTの可能性があるため、定期的な経過観察が不可欠です。

逆流性食道炎・食道裂肛ヘルニア

強い酸性の胃酸が逆流して炎症を起こしているのが逆流性食道炎です。食道には胃酸から粘膜を守る粘液がないため、胃酸が逆流すると炎症を起こします。食道裂孔は、胸部と腹部を隔てている横隔膜の裂孔で、食道はそこを通って胃とつながっています。胃の一部が裂孔から胸部の方に飛び出してしまっているのが食道裂孔ヘルニアで、逆流性食道炎を起こしやすくなります。
逆流性食道炎を起こすと、炎症によって胸やけや喉が詰まったような感じ、酸っぱいものが上がってくる呑酸といった症状が現れます。また、咳や喘息、声枯れ、めまいなどさまざまな症状が現れることもあります。こうした症状は薬物療法で比較的短期間に解消できます。
逆流性食道炎の原因は、食道裂孔ヘルニア、加齢などによる蠕動運動低下や筋肉の緩み、肥満などがあり、食習慣や生活習慣も発症や悪化に大きく関係しています。
逆流が慢性化して食道粘膜が繰り返し傷付けられると食道腺がんリスクが高くなることがわかっています。そのため、逆流性食道炎は適切な治療を受けることが重要です。また、とても再発しやすいため、それを予防するために生活習慣の改善も不可欠です。

食道静脈瘤

肝炎などによって肝硬変を起こすと肝臓が血液を十分受け取ることができず、余剰の血液が胃や食道に流れ込みます。それによって食道の静脈に膨らみができてしまうのが食道静脈瘤です。進行すると静脈瘤が破裂して命に係わることもありますので、早期発見と治療が重要です。

食道異物

魚の骨が刺さる、食べ物などが喉に詰まるといったことを総称して食道異物と呼びます。骨が刺さるなどした場合、食道に穴が開いてしまう可能性があり、かなり危険な状態です。また、食べ物が詰まると呼吸ができなくなり命に係わります。すぐに内視鏡のあるクリニックを受診してください。ご自分ですぐに取り除けた場合も、傷の状態を確認してもらうと安心できます。

十二指腸の疾患

十二指腸がん

胃がんや大腸がんに比べると発症頻度は低いのですが、十二指腸の粘膜はとても薄いため内視鏡手術が不可能なケースが多くなっており、発症すると開腹手術になる可能性が高いがんです。

十二指腸潰瘍

ほとんどの十二指腸潰瘍はピロリ菌によって起こり、除菌治療成功によって症状が解消し、再発を防ぐことができます。激痛を生じやすく、若い世代に比較的多いと報告されています。十二指腸潰瘍と診断されたら、内視鏡検査を受けてピロリ菌感染の有無と粘膜の状態を確認してもらい、感染がわかった場合には除菌治療が不可欠です。

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