医院名:モーニングクリニック六本木 
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六本木グリーンビル7階

なみだ目(流涙症)

流涙症(涙目)とは

流涙症(涙目)とは。涙の分泌量が過剰になる、あるいは涙の通り道に異常が発生したことで、目に涙が溢れる疾患です。涙が流れる仕組みは水道と聞くとイメージしやすいかと思います。ゴミなどにより排水管が塞がれてしまったり、排水管自体が壊れたりした場合、排水が正常に行えなくなりますが、流涙症もこれと同様の仕組みで発生します。
流涙症では、何でもないときに突然涙が溢れたり、風など些細な刺激により涙が出たり、目やにが増加するなど生活に影響を及ぼします。疾患が原因のこともあり、また悪化すると合併症を招く恐れもあるので、早めに眼科を受診しましょう。

流涙症(涙目)の原因

鼻涙管閉塞(狭窄)症

鼻涙管閉塞症とは、涙を鼻に排出するための通り道である鼻涙管が閉塞する疾患です。
原因は多岐にわたり、加齢に伴う老廃物の蓄積、涙石、慢性鼻炎、抗がん剤による副作用、外的損傷、点眼薬の過度な使用などが挙げられます。
鼻涙管の閉塞は、点眼薬や内服薬などの薬物療法では改善が困難で、手術での対応となることが多いです。
手術は、「涙管チューブ挿入術」と「涙嚢鼻腔吻合術」の2種類があります。

涙嚢炎

鼻涙管閉塞症を治療せずにいると、涙を溜める涙嚢の内部で細菌が繁殖して膿が溜まり、炎症が発生します。涙嚢炎は急性と慢性に分かれ、治療法にも違いがあります。
症状には、涙嚢付近の痛み、腫れ、赤み、目やにの増加などが挙げられます。気になって涙嚢を押すと、白くドロドロした膿のような目やにが出ます。
なお、症状は涙嚢だけでなく、全身症状も伴うこともあり、例えば発熱や脳髄膜炎などが挙げられます。
そのため、涙嚢炎の可能性がある場合、早めに眼科を受診して適切な治療を受けましょう。

眼瞼内反症・睫毛内反症

眼瞼内反症と睫毛内反症は、いずれも「逆さまつ毛」と呼ばれるものです。
眼瞼内反症は、下瞼の筋肉組織と皮膚が弛緩し、眼球方向に瞼がひっくり返った状態です。加齢が主な原因となるため高齢者に好発し、流涙症の原因となることもあります。
一方、睫毛内反症はまつ毛自体が眼球方向に生えた状態で、子どもに好発します。子どもの場合は重症化しないことも多く、成長に伴って解消していく傾向があります。
医療機関を受診して検査を受け、治療の必要性を確認しましょう。

結膜弛緩症

結膜弛緩症は、結膜(白目を覆う半透明の膜)が強く緩み、眼球下部にシワやたるみができる病気です。
肌にできるシワやたるみと同じく、加齢が原因となることが多いです。
外からも結膜がたるんでいるのが確認でき、目の違和感・不快感の原因となります。
また、結膜弛緩症は流涙症の原因となることもあり、結膜に発生したシワに涙が溜まり、異物感を覚えて涙目になります。
結膜弛緩症は、まずは点眼薬で治療を試みますが、症状が改善しない場合はたるんだ結膜を切除する結膜切除術を行います。

涙目(流涙症)の検査・診断

眼科では、流涙症の原因をはっきりさせるため、様々な検査を実施します。
検査を行い、涙の量が単純に増えているだけなのか、あるいは涙の流れに障害が起きているのかを確認し、原因を探っていきます。
さらに、細隙灯顕微鏡検査により眼球外部の状態を詳しく観察します。
涙道閉塞の疑いがあれば、涙道通水検査を実施します。この検査は、先端が丸まった注射器により涙点から水を注入し、水が正常に鼻や口に流れるかを調べます。

涙目(流涙症)の治療法

涙目(流涙症)の治療法流涙症の原因がドライアイだった場合、目の表面を覆う涙の質が低下し、刺激に対して弱くなっているため、有効成分が配合された目薬をさして眼球表面の状態を改善します。
鼻涙管閉塞症が原因となっている場合は手術が基本となります。結膜弛緩症が原因の場合、まずは点眼薬による治療を行い 、効果が現れない場合は結膜切除術を実施します。

涙道閉塞が原因の場合

涙道閉塞が原因となっている場合、治療は基本的には手術となります。
以下は主な術式となります。

涙管チューブ挿入術

狭窄・閉塞した涙道を広げ、チューブを挿入・留置する手術です。
留置期間中は涙道が開いた状態を保てるため、涙はスムーズに流れます。留置期間は3ヶ月ほどとなりますが、状態によって留置期間が変わることもあります

涙嚢鼻腔吻合術(るいのうびくうふんごうじゅつ)

涙嚢と鼻腔を隔てる骨を削って穴を作り、涙の通り道を形成する手術です。
この手術は「鼻内法」と「鼻外法」の2種類に分かれます。鼻内法は鼻内内視鏡を使って鼻腔から涙道付近の穴を開ける方法で、鼻外法は鼻周辺の皮膚を切開して涙道から涙嚢と涙道の間の骨に穴を開ける方法です。
全てのケースで行うわけではなく、急性涙嚢炎が発生している場合、慢性涙嚢炎が繰り返し発生している場合、涙管チューブ挿入術では効果が現れなかった場合に行います。

赤ちゃんや子どもの涙目について

赤ちゃんや子どもが涙目になっている場合、あるいは目やにの質や量に異常が見られる場合、先天性鼻涙管閉塞症が疑われます。
治療はマッサージが基本となり、自宅で行えます。