医院名:モーニングクリニック六本木 
所在地:東京都港区六本木6丁目1-8 
電話番号:03-5860-6935 
六本木グリーンビル7階

涙道内視鏡下での涙管チューブ挿入術

涙道内視鏡と涙管シリコンチューブ挿入術

涙道内視鏡と涙管シリコンチューブ挿入術涙は上下の瞼の鼻側にある涙点から分泌され、涙小管→涙嚢→鼻涙管の順番で流れ、鼻腔へと流れていきます。この涙の通り道を涙道と言い、この部分が閉塞して涙が正常に流れず、涙が溢れる状態を流涙症(通称:涙目)と言います。
涙道内視鏡は、先端が直径0.9mmの内視鏡スコープを涙道に挿入し、涙道の状態を調べる検査です。閉塞部位を確実に診断することができ、適切な処置を行えます。初回は、閉塞部位の診断とともに涙管チューブ挿入術を実施することがほとんどです。涙道を金属の細い棒(涙道ブジー)により広げますが、これだけでは再度閉塞してしまう可能性があるため、シリコン製のチューブを挿入・留置し、涙道が開通した状態を維持することで治療効果を高めます、

手術方法

手術は、基本的に局所麻酔下にて日帰りで行えます。また、手術に不安をお持ちの方や痛みに敏感な方には、点眼麻酔を使用することも可能で、痛みを軽減します。
滑車下神経と涙道に麻酔をかけ、涙点から内視鏡スコープを入れ、涙道内の状態を調べます。閉塞部をブジーで拡張した後、涙管チューブを挿入して留置します。術後は、再閉塞を防止するために定期的にお越し頂き、通水処置を行います。チューブは2~3ヶ月後に抜き取ります。当院では、チューブを抜き取る際にも内視鏡下で涙道内を洗浄します。涙管チューブは外からがほぼ見えず、日常生活にも支障は及びません。
治癒率は閉塞部位によって違いがあり、涙点閉塞、総涙小管閉塞では1回目の治療で9割ほどの方が改善します。鼻涙管閉塞の場合も閉塞部位に応じて治癒率に違いがあり、5割ほどの方は涙道内視鏡を使用した治療を行っても治癒があまり期待できません。また、涙小管閉塞のなかでも、涙点付近が閉塞している場合、内視鏡による治療では改善が期待できません。

治療のリスク

以下のような合併症が起こるリスクがありますが、発生率は低く、治療を行うメリットの方が高いです。

仮道形成

無理に閉塞部位を広げることで、誤った経路に涙道を作ってしまうことがあります。

涙点の浮腫や炎症

炎症を鎮めるお薬を使い、症状を抑制します。

眼瞼蜂窩織炎

涙道など周辺の組織に感染が起こり、炎症が発生することがあります。この場合、抗生剤により感染症を治療します。

肉芽腫

炎症が発生し、涙点や涙小管粘膜に肉芽腫ができることがあります。

合併症が発生した場合は適切な対応を取りますが、合併症は深刻なものになることはありません。
なお、手術により合併症を事前に全て把握することはできないため、上記以外の合併症が起こることもあり得ます。何かありましたら、お気軽にご相談ください。